エチレンープロピレンー1-ブテン共重合体の13C NMRスペクトルの帰属と構造解析

エチレンープロピレンー1-ブテン共重合体の13C NMRスペクトルでは異なる共重合連鎖に起因した複雑な分裂ピークが観測される. その分裂ピークを帰属するために, 13C INEPT法により炭素原子団を区別するとともに, 13C 2次元INADEQUATEスペクトルの解析から骨格炭素のつながりを明らかにした. さらにγ効果法による化学シフト計算からピークの分裂幅および分裂様式を予測した. その結果, INEPT法では判別不可能であった主鎖メチレン炭素と1-ブテン側鎖メチレン炭素のピークが重なり合う領域において, 2D-INADEQUATEスペクトルの解析により, 各々の炭素原子に起因したピークを分離帰属した. また化学シフト計算からテトラッド以上の共重合連鎖の差に起因した分裂ピークを帰属した. さらに1-ブテンの側鎖コンホメーション確率を計算することにより側鎖の優位コンホメーションの評価を行った.